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  4. カンボジアの株式市場入門|上場企業一覧と注目セクター

カンボジアの株式市場入門|上場企業一覧と注目セクター

2026年2月5日
jcilab

カンボジア株に興味はあっても、実際にどんな企業が上場しているのか、どの分野が中心なのかまで把握している人は多くありません。

情報が断片的で、全体像をつかみにくいのが正直なところだと思います。

そこでこの記事では、カンボジア株式市場の基本構造を整理したうえで、上場企業の一覧とセクターごとの特徴をまとめます。個別銘柄を選ぶ前に、市場全体を一度俯瞰しておきたい人に向けた内容です。

カンボジア株式市場の全体像と特徴

カンボジアの株式市場は、他国と比べるとまだ若く、発展途上にあります。証券取引所であるカンボジア証券取引所ができたのは2011年で、歴史は長くありません。上場企業の数も限られています。

もう一つの特徴は、上場している企業の性格がわかりやすい点です。

銀行、港湾、水道、電力といった、国のインフラや基幹産業を担う企業が中心で、これは、成長国がまず整備すべき分野に資本市場が使われていることを意味しています。

値動きの面では、短期的な売買で利益を狙う市場というより、中長期で国の成長を取り込む色合いが強いと言えます。

また、カンボジア市場では米ドルが広く使われており、証券取引も実質的にドルベースで考えられる点は、日本の投資家にとって特徴的です。為替の考え方や資産分散という視点で見ると、他の新興国市場とは少し違った位置づけになります。

このように、カンボジア株式市場は規模こそ小さいものの、構造はシンプルで分かりやすい市場です。全体像を理解したうえで向き合えば、投資対象としての性格も見えやすくなります。

カンボジア証券取引所の上場企業一覧

カンボジア証券取引所(CSX)には2025年時点で株式として12社が上場しています(メインボード・グロースボード合計)。これは世界的に見ても非常に規模の小さい市場ですが、銘柄が絞られているぶん事業内容が分かりやすいという特徴があります。

カンボジア証券取引所 上場企業一覧(株式)

① アクレダ銀行(ACLEDA Bank Plc)
セクター:銀行・金融(Banking / Financial Services)
カンボジア最大級の商業銀行。個人・法人向け金融の中核を担い、流動性と取引量の多さが特徴。

② プノンペン水道公社(Phnom Penh Water Supply Authority)
セクター:公益・水道(Utilities / Water Supply)
首都圏の水道インフラを担う国営企業。インフラ系銘柄の代表格。

③ プノンペン自治港(Phnom Penh Autonomous Port)
セクター:港湾・物流(Port Operations / Logistics)
内陸河川港として物流を支える国営港湾企業。

④ シアヌークビル自治港(Sihanoukville Autonomous Port)
セクター:港湾・物流(Port Operations / Logistics)
カンボジア唯一の外洋港。貿易量の増加とともに注目されやすい存在。

⑤ プノンペン経済特区(Phnom Penh SEZ Plc)
セクター:工業団地・不動産(Industrial Estate / Real Estate)
外資企業の製造拠点を集積する経済特区運営会社。

⑥ グランド・ツインズ・インターナショナル(Grand Twins International (Cambodia) Plc)
セクター:製造業・アパレル(Manufacturing / Garments)
欧米ブランド向けの縫製輸出を手がける民間製造企業。

⑦ ペステック・カンボジア(Pestech (Cambodia) Plc)
セクター:電力・インフラ(Energy / Infrastructure)
送電・変電など電力インフラを担うエネルギー関連企業。

⑧ キャムGSM(CAMGSM Plc)
セクター:通信(Telecommunications)
携帯通信ブランド「Cellcard」を運営する通信会社。配当利回りの高さでも知られる。

⑨ ディービーディー・エンジニアリング(DBD Engineering Plc)
セクター:建設・エンジニアリング(Construction / Engineering)
空港や大型インフラ案件に関与するエンジニアリング企業。

⑩ JSランド(JS Land Plc)
セクター:不動産開発(Real Estate Development)
中間所得層向け住宅を中心とした不動産デベロッパー。

⑪ メンリー・J・クアック・エデュケーション(Mengly J. Quach Education Plc)
セクター:教育サービス(Education Services)
インターナショナルスクールなど教育事業を展開。人的資本への投資を象徴する銘柄。

⑫ ピカソ・シティ・ガーデン・デベロップメント(Picasso City Garden Development Plc|PCG)
セクター:不動産開発(Real Estate Development)
2025年12月上場。高付加価値型の都市開発を手がけ、
CSX初期市場における民間主導・投資型不動産企業として位置づけられる。

このように、上場企業は銀行、通信、建設・不動産、教育、インフラといった実体経済に根ざした業種が中心です。

これはカンボジア市場全体の性格をよく表しています。

また、CSX自体は2011年に設立された新しい取引所であり、まだ企業数の増加余地も大きい段階にあります。

取引所の上場数は12社と小規模ですが、これはカンボジア経済の成長段階と証券市場の発展途上性を反映しています。

<参考資料:カンボジア証券株式会社(CSP)発行 カンボジア上場企業一覧>

こうした構成は、国のインフラ・金融機関といった基盤産業に投資できる一方で、情報や取引量が豊富とは言えない市場であることも示しています。銘柄の理解や流動性の把握が投資判断では重要になります。

上場企業から見える主要セクターの構成

カンボジアの上場企業を一覧で見ていくと、まず気づくのはセクターの偏りです。

日本や米国のように幅広い業種が並んでいるわけではなく、金融やインフラ、公益といった分野に企業が集中しています。

これは市場の未成熟さというより、国の成長段階がそのまま株式市場に反映されている結果だと考えたほうが自然です。

最も存在感が大きいのは銀行を中心とした金融セクターです。

アクレダ銀行のように国内で広く利用されている金融機関が上場しており、経済成長とともに資金需要が増えていく構造が見て取れます。

企業向け融資や個人金融の拡大は、今後もカンボジア経済の軸になりやすい分野です。

次に目立つのが、港湾や物流、水道といったインフラ・公益セクターです。

港湾公社や水道公社が上場している国はそれほど多くありませんが、カンボジアでは国の基盤を支える存在として資本市場に組み込まれています。

これは、成長国にとってインフラ整備が最優先課題であることを示しています。

不動産や経済特区関連の企業も、数は多くないものの重要な位置を占めています。

工業団地や都市開発は、海外資本の受け皿として欠かせない分野であり、製造業や物流の発展と連動して成長しやすい特徴があります。

一方で、消費関連やIT、サービス業といったセクターは、ほとんど見当たりません。

これは投資機会がないという意味ではなく、まだ株式市場に出てくる段階にないということです。今の上場企業の構成を見ることで、カンボジアがどこまで来ていて、これからどこに向かおうとしているのか。その輪郭がはっきり見えてきます。

今後注目されやすい成長セクターと視点

カンボジア株式市場を見ると、現時点ではインフラや金融が中心ですが、そこから先の動きも少しずつ見え始めています。

今後注目されやすいのは、すでに土台が整いつつある分野の「次の段階」にあたるセクターです。

ひとつは不動産や都市開発に関連する分野です。

人口増加と都市集中が進む中で、住宅、商業施設、工業団地への需要は今後も続きます。

特に経済特区や物流拠点と結びついた開発は、製造業や貿易の動きと連動しやすく、比較的見通しを立てやすい分野といえます。

次に注目されるのは、通信や周辺サービスです。

スマートフォンの普及が進み、個人向けの通信需要はすでに生活インフラの一部になっています。

今後は、単なる通信事業だけでなく、決済やデータ関連など、周辺分野への広がりが意識されるようになるでしょう。

教育や人材育成も、中長期で見たときに無視できない分野です。

若い人口が多いカンボジアでは、教育への支出は景気に左右されにくい傾向があります。すぐに派手な成長が見える分野ではありませんが、安定的に需要が積み上がるセクターとして注目する投資家もいます。

こうした市場では、短期的な話題性よりも、「国の変化と一緒に伸びるか」という視点が重要になります。

どの企業が次に上場してきそうか、どの分野が株式市場に出てくる段階に入りつつあるのか。今の上場企業だけでなく、その周辺に目を向けることが、カンボジア市場と向き合ううえでのひとつのヒントになります。

まとめ 小さな市場だからこそ見える投資機会

カンボジアの株式市場は、銘柄数もセクターも限られています。

その分、国がどこに力を入れていて、どこから成長しようとしているのかが読み取りやすい市場です。

インフラや金融を起点に、不動産、通信、教育といった分野へ関心が広がっていく流れは、成長国として自然な姿とも言えます。

こうした市場に向き合うには、情報の整理と実務面のハードルをどう下げるかが重要になります。

JCI LABのように、カンボジア投資や口座開設を日本語で相談できる窓口を活用することで、制度や手続きに振り回されず、市場そのものに集中しやすくなります。

小さいからこそ全体を把握しやすい。その特性を活かせるかどうかが、カンボジア株投資の分かれ目になりそうです。

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著者について

名前:渡辺 智(わたなべ さとし)

都市銀行に10年以上勤務し、プライベートバンキングや資産運用コンサルティング、融資業務など幅広い分野を経験。
現在は金融・美容分野を中心に執筆するフリーライター。
FP1級・日商簿記1級などの資格を保有し、投資信託・株式投資・債券・外貨・FXなど金融全般に精通しています。

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