カンボジアが米ドルを日常的に使う国だと聞くと、少し違和感を覚える方も多いかもしれません。
なぜ自国通貨ではなく、米ドルがここまで根付いているのか。
その背景についてはこれまでも解説されてきましたが、投資家の立場で見ると、見え方は少し変わってきます。
米ドル経済という特徴は、為替リスクや資産管理の考え方に直接影響しますし、メリットだけでなく注意点も存在します。
今回の記事では、過去に公開した背景解説をベースにしつつ、日本人投資家が実際に投資判断をする際に意識しておきたいポイントを整理します。
カンボジアを検討するかどうか、その前提として知っておきたい視点をまとめていきます。
カンボジアはなぜ米ドル経済になったのか
カンボジアが米ドルを広く使うようになった理由は、単に便利だからという話ではありません。
そこには、この国が歩んできた歴史と経済の事情が深く関係しています。
投資家として向き合うなら、その背景を一度整理しておくことは無駄ではないはずです。
1970年代から90年代にかけて、カンボジアは内戦や政治的混乱を経験しました。
特にクメール・ルージュ政権の時代には、通貨制度そのものが崩壊し、自国通貨リエルへの信頼は大きく損なわれました。
その後、国の再建が始まる中で、人々が頼ったのが米ドルです。価値が安定し、国際的に通用する通貨として、自然と経済活動に浸透していきました。
1990年代以降、国際機関からの支援や外国直接投資が本格化すると、資金の多くは米ドルで流入しました。
インフラ整備や企業投資、観光業の発展に伴い、ドルでの支払いが当たり前になっていきます。
銀行預金や給与、賃料、観光関連の支払いまで、ドルが使われる場面は次第に広がりました。
現在でも、都市部を中心に流通通貨の大半は米ドルです。
カンボジア国立銀行の統計を見ても、現金や預金の多くがドル建てで管理されていることが分かります。
リエルは存在していますが、主に少額決済や農村部で使われる補助的な通貨という位置づけです。
重要なのは、このドル化が一時的なものではなく、経済の仕組みとして定着している点です。
為替リスクを避けたい企業や個人にとって、ドルは信頼の拠り所になっています。
投資家目線で見ると、これは単なる珍しさではなく、通貨環境としての前提条件です。カンボジアを理解するには、まずこの米ドル経済という土台を押さえておく必要があります。
米ドル経済が投資判断に与える影響
カンボジアが米ドル経済であることは、投資判断において無視できない前提条件になります。
特に日本人投資家にとっては、円・ドル・現地資産という三層構造で考える必要が出てくる点が特徴です。
まず分かりやすい影響は、為替の位置づけです。
これは、円安・円高の影響を直接受ける一方で、現地通貨急落といった新興国特有のリスクをある程度回避できる構造でもあります。
多くの新興国投資では、現地通貨と円の為替変動がそのままリスクになりますが、カンボジアの場合、日常経済や金融取引の多くがドルベースで動いています。
そのため、投資対象そのものは実質的にドル資産として捉えることができます。
これは、円安・円高の影響を直接受ける一方で、現地通貨急落といった新興国特有のリスクをある程度回避できる構造でもあります。
一方で、ドル経済だから安全と単純に考えるのは危険です。
確かにリエル安のリスクは限定的ですが、日本人投資家にとっては「円とドルの関係」が常に付きまといます。
ドル建てで安定して見える資産でも、円高局面では評価額が目減りする可能性があります。カンボジア投資は、現地リスクよりも、むしろドルとの付き合い方が成否を分ける場面が多いと言えるかもしれません。
また、投資判断の時間軸にも影響します。短期的な為替変動を気にしすぎると、ドル建てというメリットが生きてきません。
カンボジアのような成長市場では、事業の拡大や経済成長といった中長期の変化をどう取り込むかが本質になります。
ドル経済は、その変化を比較的シンプルな通貨環境で見られるという意味で、判断を整理しやすくしてくれます。
米ドル経済は、万能なメリットではありませんが、投資の前提条件として理解しておくことで、過度な期待や誤解を避けることができます。通貨の特徴をどう位置づけるか。それがカンボジア投資を考えるうえでの重要な出発点になります。
日本人投資家にとってのメリット 為替と資産管理の視点
カンボジアが米ドル経済であることは、日本人投資家にとっていくつかのメリットをもたらします。
まず一番分かりやすいのは、通貨の分かりやすさです。
新興国投資では、現地通貨の値動きが読みづらく、それ自体が大きなストレスになることがあります。
ところがカンボジアの場合、日常の経済活動や金融取引の多くが米ドルベースで行われています。
投資対象の収益や価格を、国際的に共通の通貨で把握できる点は、日本人投資家にとって理解しやすい環境と言えます。
次に、資産管理の観点です。日本で生活していると、どうしても資産は円に偏りがちになります。
円安局面が続く中で、通貨の偏りに不安を感じる人も少なくありません。
カンボジア投資は、結果的にドル建て資産を持つことにつながるため、自然と通貨分散になります。
また、為替リスクの性質が比較的シンプルなのも特徴です。
ただし、これらのメリットは短期売買で活きるものではありません。
中長期で資産をどう配置するか、その一部としてドル建ての成長市場を持つ、という文脈で初めて意味を持ちます。
カンボジアの米ドル経済は、日本人投資家にとって投資判断を単純化してくれる要素であり、資産運用の選択肢を広げてくれる存在だと捉えるのが現実的でしょう。
見落としやすい注意点とリスクの考え方
カンボジアが米ドル経済であることは、確かに分かりやすさという面でメリットがありますがリスクもあります。
まず意識したいのは、「ドルが使われている=米国並みに安全」ではないという点です。
使われている通貨がドルであっても、経済制度や法制度、情報開示の水準は新興国のものです。
企業の財務情報やガバナンス、規制の変更など、日本や米国と同じ感覚で考えるとズレが生じます。
通貨が安定しているからといって、投資環境そのものが成熟しているわけではありません。
次に、流動性の問題です。カンボジアの金融・証券市場はまだ規模が小さく、売りたいときにすぐ売れるとは限りません。
ドル建てで価格が表示されていても、取引量が少なければ価格は動きにくく、場合によっては思った水準で現金化できないこともあります。
この点は、為替リスクとは別の種類のリスクとして認識しておくべきです。
また、日本人投資家にとっては税務や資金移動の扱いも重要です。
ドル建てであっても、日本円に戻した時点で為替差益が発生すれば課税対象になります。
ドル経済=税金がシンプルになる、というわけではありません。
さらに、ドル経済が今後も同じ形で続くとは限らない点も頭に入れておく必要があります。
カンボジア政府はリエルの利用拡大にも取り組んでおり、将来的に通貨政策が変化する可能性はゼロではありません。急激な変化は考えにくいものの、長期投資ではこうした方向性も無視できません。
米ドル経済は便利な前提条件ですが、それだけで投資判断が楽になるわけではありません。通貨の安定と、投資環境の成熟度は別物です。その距離感を理解したうえで向き合うことが、カンボジア投資では特に大切になります。
JCI LABをどう使うか 投資判断に集中するために
ここまで、カンボジアの米ドル経済とそのメリット・注意点を見てきましたが、
実際に悩むのは「その情報をどう判断に落とし込むか」だと思います。
海外投資では、断片的な情報や都合のいい話だけが先に入ってきやすく、冷静な判断が意外と難しくなります。
その点で、JCI LABの役割は「商品を売る場所」というより、判断材料を整理するための存在です。
ドル経済という特徴だけを切り取って期待を煽るのではなく、為替、制度、税務、流動性といった現実的な論点を並べて考える姿勢が一貫しています。
投資家としては、こうした距離感のある情報の出し方はありがたいと感じる場面が多いはずです。
特にカンボジアのような新興国では、「分かりやすい強み」だけが一人歩きしがちです。
ドル建てだから安心、成長国だから儲かる、といった言葉は魅力的ですが、それだけで判断すると後から違和感が出ることもあります。
JCI LABは、その一歩手前で立ち止まり、何が前提で、どこに注意が必要なのかを整理する視点を提供しています。
また、実務面でも役に立つはずです。
通貨がドルでも、口座開設や資金移動、制度の細かい部分は日本と同じではありません。
現地事情を知らずに進めると、想定以上に時間や労力がかかることがあります。
日本語で相談でき、現地の仕組みを踏まえた説明を受けられる環境があるだけでも、判断はずいぶんしやすくなるでしょう。
大切なのは、JCI LABを使えば正解という話ではないことです。
あくまで、投資判断を急がず、自分の目的に照らして整理するための選択肢のひとつです。カンボジアが合うのかどうかも含めて、一度冷静に考える。JCI LABのように中立的な情報や相談先を活用しながら、期待と現実を切り分けて考えること。
それが、カンボジア投資と向き合ううえでの基本姿勢になるでしょう。
まとめ ドル経済を理解したうえでの投資判断 カンボジアは選択肢のひとつ
カンボジアが米ドル経済である理由を知ると、その特徴は投資判断において無視できない前提条件だと分かります。
為替リスクが分かりやすい一方で、通貨がドルだからといって投資環境まで同じ水準だと考えるのは危険です。メリットと注意点は常にセットで見ておく必要があります。
大切なのは、米ドル経済という特徴を目的に合わせてどう使うかです。
成長性を取りに行くのか、通貨分散を意識するのか。その整理がないままでは判断がぶれてしまいます。
JCI LABのように中立的な情報や相談先を活用しながら、期待と現実を切り分けて考えることが、カンボジア投資と向き合ううえでの基本になるでしょう。
参考ページ:
The ultimate guide to banking for foreigners in Cambodia-Khmer Times
Dollarisation level still over 80% in Cambodia- Khmer Times
第Ⅱ部 第1章 第7節 ドルへの集中と新興・途上国のリスク拡大-経済産業省
カンボジアのドル化:主要論点と政策展望-奥田英信- 一橋大学大学院経済学研究科
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著者について

名前:渡辺 智(わたなべ さとし)
都市銀行に10年以上勤務し、プライベートバンキングや資産運用コンサルティング、融資業務など幅広い分野を経験。
現在は金融・美容分野を中心に執筆するフリーライター。
FP1級・日商簿記1級などの資格を保有し、投資信託・株式投資・債券・外貨・FXなど金融全般に精通しています。



