【カンボジア投資】「穴場」と言える3つの理由を専門家が徹底解説!

―実例&最新データで読み解く東南アジアの注目市場 ー

世界的に低金利・低成長が続くなかで、「どこに投資すればこれからの成長を取り込めるのか?」とお悩みの方は少なくないでしょう。特に先進国市場が成熟する一方で、アジア新興国、なかでも東南アジアはポスト・コロナの復興と共に供給網の再編なども追い風となり、注目が高まっています。

新興国への投資に興味はあるものの、「情報が少なくて何から手を付ければいいかわからない…」「リスクはどれほどか心配だ」というお気持ちをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

【この記事を読むことでわかること】

  • カンボジアがグローバルマクロの文脈で「投資先として存在感を増している理由」
  • 実際の経済指標(GDP成長率・インフレ・人口構成)から見た“伸びしろ”
  • 米ドル建て取引による為替安定性と、投資家にとっての安心材料
  • 法制度改正や税制優遇、100%外資出資の仕組みなど、外国人投資家向けの環境整備状況
  • 不動産・社債・農業・エネルギー・スタートアップなど、具体的な投資手法と日本人事例
  • 投資リスク(政治・流動性・情報透明性)とその対策方法


カンボジア投資-日本・ASEAN主要国と比較した“伸びしろ”

経済成長率と消費市場 ベトナムを追い抜く勢い

カンボジアの実質GDP成長率は2025年に+6.1%アジア開発銀行[ADB]予測)と見込まれており、フィリピン(+6.0%)やベトナム(+6.6%)と並ぶ高水準です。
下表は、カンボジアの2023年から2026年までのGDP成長率およびインフレ率の予測を示したものです(図表1)。
予測によると、2025年には成長率が6.1%、インフレ率が3.7%と見込まれており、2024年の低インフレからの反転が予想されています。

出典:カンボジア経済財務省(Ministry of Economy and Finance)、カンボジア国家統計局(National Institute of Statistics)、アジア開発銀行(Asian Development Bank)「Budget in Brief 2025」より

一方で、1人当たりGDPはカンボジア経済財務省(MEF)の「2025年度予算概要」によれば、2025年に約2,924米ドルと、依然として低く、今後の消費市場拡大のポテンシャルが大きい国でもあります。
実際、首都プノンペンはこの数年で大型商業施設の数が急増しており、2022年には年間12施設が新規で開業しました。2023年以降も複数のモールが完成予定で、都市の小売面積は拡大を続けています。

このように、経済成長とともに都市部の消費環境も大きく進化しており、今後の市場拡大が期待されています。

どうして「1人当たりGDPが低い」と、未来の消費がふえる

カンボジアは一人当たりの平均所得が依然として低水準ですが、急速な経済成長を背景に今後も生活水準が大きく向上していく途上にあります。

これまで手に入れることが難しかったスマートフォンやバイク、冷蔵庫、テレビなどを初めて購入する人が急増し、一人当たりの消費額が増えると予測されています。
このように、お金を使う人がこれから増えていき、お店やサービスを出すチャンスが大きい国なんです。

カンボジア投資-若い人口とドル決済で通貨リスクが抑えられます

カンボジアは人口の47%が24歳以下

アメリカの統計情報サイト「World Population Review」による推計では、カンボジアの総人口は2025年時点で約1,784万人で、その約47%が24歳以下とされています(図1)。

人口のほぼ半分が若年層というこの構造は、今後の労働力確保だけでなく、消費市場の成長ポテンシャルとしても大きな意味を持ちます。

図1:年齢別の人口構成(2025年) 出典:World Population Review

さらに、下図のようにカンボジアの総人口は今後も増加を続け、少なくとも2035年ごろまでは右肩上がりの成長が予測されています(図2)。このような人口構造とトレンドは、外資企業や投資家にとって「これから消費が増える国」としての魅力を裏付けています。

図2:カンボジアの人口推移 出典:World Population Review

出典:World Population Review “Cambodia Population 2025”

カンボジアの国内取引における80%が米ドル

カンボジアでは、国内取引の約80%が米ドル建てで行われており、為替の急激な変動による影響が比較的抑えられる「高度なドル化経済」が形成されています。

この状況は、カンボジア国立銀行(NBC)発行の『金融安定性報告書2023(Financial Stability Review 2023)」においても明記されており、為替の安定性が金融全体の信頼性を支えていると評価されています。

また、IMF(国際通貨基金)の分析(WP/11/49)によれば、カンボジアのドル化率は1990年代末には約60%でしたが、その後外貨預金の増加とともに2010年代には約80%にまで上昇しました。この推移は、外貨依存が一時的な現象ではなく、構造的に定着していることを示しています。

こうした通貨環境に加えて、カンボジアは近年、縫製や建設業を中心とした経済成長が続き、観光・不動産・金融サービス分野でも外資の参入が拡大しています。特に首都プノンペンでは、都市化と中間層の拡大により消費市場が活性化し、成長性と安定性の両面で注目される新興国の一つとなっています。

結果として、為替の予測可能性と金融安定性が確保された環境下での中長期投資が可能であることは、特に海外投資家にとって大きな安心材料となるでしょう。

出典:

•National Bank of Cambodia, Financial Stability Review 2023 

•IMF Working Paper WP/11/49, Dollarization in Cambodia: Causes and Policy Implications

どうして米ドルだと安心なの?

カンボジアでは多くの店舗や企業が支払いに米ドルを使用しているため、国内の物価や所得はほぼ米ドル建てで決まります。そのため、現地通貨であるリエルの急激な為替変動による影響が少なく、「カンボジアは為替リスクが小さい」と評価されることが多いです。

ただし、日本円など他国通貨で投資を検討する場合は、米ドルと円との為替変動リスクが生じます。しかし、カンボジア国内では米ドル建てで収入や価格が安定しているため、事業計画や資産運用の将来見通しが立てやすく、安心して投資できる環境が整っています。

カンボジア投資ー新法律による外国人投資家の環境が整備

法人税優遇と100%外資出資が可能 ―― 規制が柔軟

カンボジアでは、2021年に新しい投資法(Law on Investment 2021)が施行され、外国人投資家にとってさらに開かれた投資環境が整備されました。これは1993年に制定された旧投資法(2003年改正)を全面的に見直し、より透明性が高く、公平で、効率的な仕組みへと進化したものです。

この法律では、外国人にも開かれた「投資優遇制度」が導入され、製造業やハイテク、観光、農業、医療など19の重点分野において、以下のようなインセンティブが提供されます:

  • 法人所得税の免除(最大9年間)
  • 設備・原材料の輸入関税や付加価値税(VAT)の免除
  • 条件を満たせば追加インセンティブや特別優遇措置も適用可能

また、カンボジアでは外国人による100%出資の会社設立が原則自由であり、ほとんどの業種で現地パートナーを必要としません。

さらに、新法では以下のような投資家の権利と資産保護も明確に定められています:

  • 差別的な取扱いの禁止(内国民待遇)
  • 投資の恣意的な収用・国有化に対する保証
  • 利益の自由な海外送金
  • 知的財産権の保護

これらの制度により、カンボジアは外資系企業にとって制度的な安心感と柔軟性を兼ね備えた投資先といえます。

初期費用の軽減、長期的な税務メリット、そして資産の法的保護――これらは新興国の中でも非常に整った環境と言えるでしょう。

出典:
Law on Investment of the Kingdom of Cambodia (2021)
Khmer Times「Cambodia’s new investment law becomes more attractive and considerate for investors」
https://www.khmertimeskh.com/50891114
The Phnom Penh Post「Investment law sails through National Assembly」
https://www.phnompenhpost.com/business/investment-law-sails-through-national-assembly-heading-towards-senate

カンボジア投資に向いている人

カンボジアの制度は、中長期での成長ポテンシャルを見込む投資家や、アジア圏での拠点拡大を検討する企業にとって非常に魅力的です。とくに以下のような方には適した市場と言えるでしょう:

  1. 低金利の日本に物足りなさを感じている個人投資家
    → 年利5〜7%を狙える不動産投資や社債投資、株式市場へのアプローチが可能です。
  2. 生産拠点の分散やコスト削減を図りたい、中小製造業の“+1拠点”を探すオーナー
    → 人件費の安さに加え、法人税免除や輸入税ゼロの恩恵を受けやすく、+1拠点として好適。
  3. ESG(環境・社会・ガバナンス)と利回りの両立を目指すインパクト投資家
    → 農業・教育・再生可能エネルギーなどの分野では社会貢献と収益性の両面が見込めます。
  4. 相続・資産分散を考える富裕層や海外移住を視野に入れた層
    → 海外不動産・証券投資による資産保全や、将来的な第二の居住先の選択肢としても有望です。

カンボジア投資-4つの投資

1. 不動産 ― プノンペン中心部と新興住宅地

プノンペンでは、30㎡前後の区分コンドミニアムが10万米ドル以下で購入できる物件も多く、中心部を除けば価格はおおよそ66,000〜79,500米ドルの範囲が相場です(1㎡あたり2,200〜2,650米ドル、CBRE Cambodia, Q1 2025)。*ただし、中心部の中〜高価格帯物件では12万〜15万ドルの事例も多い(実務ベース)。

月額賃料の相場は600〜700米ドルで、グロス利回りは平均6.96%、高い物件では最大8.5%が報告されています(Global Property Guide, Q1 2025)。

外国人向け賃貸需要は安定しており、空室リスクを抑える管理サービスも充実しています。

なお、鉄筋コンクリート造の25階建てクラスを含む大規模建設プロジェクトは、2025年〜2027年にかけて複数の完成が予定されており、供給ブームは今後も継続する見込みです(CBRE Cambodia, Market Update Q1 2025)。

日本人投資家の事例①

都内のIT企業に勤務する45歳の男性は、2021年にプノンペン中心部・ボンケンコン地区で31㎡のコンドミニアムを12.8万米ドルで購入。家具付きの状態で月額650米ドルで賃貸し、グロス利回りは約6.1%を確保。日系不動産管理会社との家賃保証契約により、空室時の収益リスクも軽減。2024年の市場査定額は15.5万米ドル(+21%)と、キャピタルゲイン(資産価値の上昇)も得られています。

2. マイクロファイナンス債券(年利8〜10%、米ドル建て)

カンボジアでは、LOLC(Cambodia)やPRASACといった大手マイクロファイナンス機関(MFI)が、年利8〜10%程度の社債(債券)を発行しています。これらの債券は通常、期間3年程度・米ドル建てで、投資対象として一定の人気があります。

たとえば、LOLCが発行した*劣後債(Subordinated Debt)の金利は年7.5〜10.47%の範囲にあり(2024年6月末時点)【出典:LOLC Cambodia Q2 2024 Audited Financial Statement, p.27】、民間投資家が9%前後の利率で投資するケースも確認されています。

なお、これらのMFIはカンボジア国立銀行(NBC)の厳格な監督下にあり、自己資本比率や貸倒引当金の規制も強化されています。そのため、伝統的な企業債に比べると相対的に信用力は高く、倒産リスクは一定程度抑えられていると評価されます。

日本人投資家の事例②

東京都在住の38歳の会社員は、2023年にLOLC Cambodiaの年利9%・3年満期の米ドル建て社債に2万ドルを投資しました。為替リスクへの備えとして、一部を為替ヘッジ商品でカバーした結果、実質利回りは約8%を確保。安定収益を目的とした中リスク型の資産運用事例として、再投資も検討中とのことです。。

3. 農業・再生可能エネルギーへの直接出資

カンボジアでは、農業と再生可能エネルギー分野への直接投資が注目されています。特に、高収益かつ社会的インパクトのある投資先として、以下のような実例があります。

カシューナッツ農園:IRR15%前後も期待 

カンボジアは世界有数のカシューナッツ生産国で、新たに導入された高収量品種(M23など)*により、1ヘクタールあたりの収量は世界平均の2〜5倍に達しています(出典:FAO, 2023)。さらに、政府は2027年までに国内加工率を25%に引き上げる目標を掲げており(出典:Kiripost, 2023)、流通・加工体制の整備も進められています。これにより、年率15%前後の内部収益率(IRR)を実現するプロジェクトも存在します。

太陽光発電:固定買取20年 × IRR12%

アジア開発銀行(ADB)が支援する**カンボジア初の大規模太陽光発電事業(Sunseapプロジェクト)では、20年間の固定価格買取契約(PPA)を締結し、IRR12%が見込まれると報告されています(出典:ADB Project Report, 2019)。太陽光発電は、インフラ整備と電力不足の解消に直結する戦略分野であり、引き続き外資投資の注力先とされています。

経済特区(SEZ):税優遇と99年リース

SEZ(特別経済区)内における投資は、法人税最大9年免除、設備・資材の輸入関税免除、VAT(付加価値税)の控除といった多様な優遇措置の対象になります。さらに、外国人でも99年間の長期リースが可能であり、土地所有ができないカンボジアでも安心して事業展開できます(出典:Open Development Cambodia、ASEAN Briefing)。

この分配金は為替ヘッジの手間をかけずに、そのまま米ドル建て年金として運用しており、リスクを抑えた安定的なインカム投資の事例といえるでしょう。

4. スタートアップ投資(ASEANファンド経由)

近年、カンボジアではフィンテックや物流向けSaaS(クラウドサービス)など、プノンペン発のスタートアップが急増しています。とくに未銀行化層(Unbanked Population)を対象にしたモバイル決済やマイクロローンの分野が注目されており、シリーズAラウンドの企業評価額は1,500万〜3,000万米ドルが一つの目安となっています。

これは、スマートフォン普及率が130%超(Digital 2023 Cambodia)と高水準である一方で、銀行口座保有率は2021年時点で32.6%にとどまる(TheGlobalEconomy.com)という、金融インフラの「利用格差(ギャップ)」が存在するためです。Wing Bank CEOのManu Rajan氏も「スマホの普及がデジタル金融サービスの利用につながっていない現状」を指摘しており、金融包摂に向けたソリューションが求められています。

日本人投資家の事例④

都内のベンチャーキャピタルは、ASEAN地域向けのシードファンドを通じて、プノンペンのモバイル決済スタートアップに20万米ドルを出資しました。カンボジアではスマートフォンの普及率が100%を超える一方で、銀行口座の保有率はまだ50%未満(The Global Economy, 2022年)とされており、金融インフラのギャップが課題です。このような未開拓市場における成長性を評価され、当該企業はシリーズAラウンドで企業評価額が約2.7倍に上昇しました。

シリーズAラウンドとは?

概要:

  • シードラウンド(初期資金調達)の次に行われる資金調達フェーズ。
  • プロダクト(製品やサービス)が市場に出ており、ある程度のユーザー獲得や収益モデルの検証が済んでいる段階で実施されます。

■ 誰が出資する?

  • 主にベンチャーキャピタル(VC)や事業会社、ときに政府系ファンドなど。
  • 出資額は数百万〜数千万米ドル規模が一般的。

■ 目的:

  • 本格的な市場展開(マーケティングや営業の強化)
  • チーム拡充(人材採用)
  • 海外展開や追加機能の開発など

例:スタートアップの資金調達ステージ

  1. シードラウンド(アイデア・試作段階)
  2. シリーズA(製品の市場拡大)
  3. シリーズB(売上拡大、海外展開)
  4. シリーズC以降(上場準備、M&Aなど)

つまり、シリーズAラウンドは「スタートアップが事業をスケール(拡大)させるための重要な資金調達ステージ」です。実際に収益や成長が見込める段階に入っていることが、投資家の判断材料になります。

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-カンボジア投資のサポートについて-

証券口座開設から不動産投資まで

弊社では、カンボジアに関する投資のサポートを幅広く行なっております。

対応できること
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カンボジア投資-事業投資の具体例

事例紹介:スミトロニクス社、ポイペトSEZへの戦略的移転

日本の電子部品メーカー・スミトロニクス社は、2016年にカンボジア西部ポイペト経済特区(Poipet PPSEZ)に工場を移転し、1ヘクタールの敷地をリースして再稼働しました(The Phnom Penh Post, 2017)。タイ国境に近い立地と豊富な若年労働力を活かし、輸送・人件費の最適化を実現。同SEZの第一号テナントとして、他の中小企業の進出モデルとしても注目されました。

SEZ制度の強み:中小企業でも活用しやすい法制度と支援体制

カンボジアの**新投資法(2021年施行)**では、SEZ内に進出する外国企業に対して、以下のような明確な優遇措置が用意されています:

  • 法人税免除:3〜9年(QIP認定が必要)
  • 輸入関税ゼロ(設備・資材の免税対象品に該当する場合)
  • 100%外資出資が可能
  • リース期間最大99年の長期契約(SEZ管理法人との直接交渉による)

これにより、日本の中小製造業にとっても、低リスク・高柔軟性の海外展開が可能となっています。

コスト面でも“ちょうどいい”カンボジア

カンボジアに工場や拠点を構える魅力の一つが、人件費や物流コストの安さです。製造業の現場では、タイやベトナムと比べても人件費は3〜4割ほど安い水準といわれています。例えば、現地スタッフの平均月給は約220ドル前後。これにより、固定費を大きく抑えることができます。また、タイとの国境付近にあるポイペト経済特区では、陸路でバンコクまで半日程度でアクセス可能。周辺国と比べても、輸送面でも意外と便利です。さらに、特区内に入れば、法人税の免除や設備の輸入関税ゼロといった税制優遇も受けられるため、初期費用を抑えて、段階的に拡大していきたい中小企業にも向いています

カンボジアの平均月給

カンボジアの製造業における平均月給は、最低賃金208ドルに各種手当を加えると、実務上はおおよそ220〜250ドル前後と見積もられます。

たとえば、JETROの「2023年度 海外進出日系企業実態調査」では、カンボジアにおける製造業作業員の平均基本給は257ドルとされています。また、カンボジア政府が発表した2025年の最低月額賃金は208ドルであり、この水準を下限とする企業も少なくありません。

出典1:JETRO「海外進出日系企業実態調査(2023年度)」 https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2024/37977922f57e157a.html

出典2:カンボジア労働・職業訓練省 / JETROニュース(2024年10月)https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/10/e924eef9b0f6231b.html

カンボジア投資におけるリスクと向き合うために

新興国に投資する際は、政治・法制度・流動性などに特有のリスクがあります。カンボジアも例外ではありませんが、対策を講じておけば十分にコントロール可能なリスクが多いのも事実です。

以下は、よく指摘されるリスクとその対策の一例です。

リスク影響対策

政策変更・汚職
手続きの遅延や予期しないルール変更が発生することがある現地の法律に詳しい日系法律事務所と契約し、契約書に国際仲裁条項を入れておく
売却時の流動性が低い投資物件や株式がすぐに売れず、資金回収に時間がかかる長期保有を前提にし、最初から出口戦略(いつ・どう売却するか)を話し合っておく
情報の透明性が低い


中間業者に高額な手数料を請求されたり、不利な条件で契約する可能性信頼できる現地パートナーと日本側の専門家の両方で事前調査(デューデリジェンス)を行う

また、現地に進出している日系企業や、日本語対応可能な不動産・金融の専門機関と連携することで、投資環境やトラブル回避に関する実務的な支援も得やすくなります。

中長期の視点で資産形成や事業拠点の分散を目指す投資家にとって、こうしたリスクは「事前準備で対応可能な要素」として捉えることが重要です。

まとめ ― 伸びしろを狙うなら検討価値あり

カンボジアは現在、実質プラス金利米ドル建ての取引慣行外資に開かれた柔軟な投資制度という3つの強みを持つ、ASEANでも注目の“フロンティア市場”です。

不動産投資を中心に、マイクロファイナンス債券や中小企業向けの事業出資といった手段を組み合わせることで、ミドルリスク・ミドルリターンの安定的なポートフォリオを構築することも可能です。

実質金利がマイナスの日本において「資産を眠らせておくよりも、成長性のある市場で運用したい」と考える投資家にとって、カンボジアは一歩踏み出す価値のある選択肢となるでしょう。

ASEAN域内でもカンボジアは、相対的に参入障壁が低く、規制も明快であるため、初めての海外投資としても検討しやすい国のひとつです。将来の資産形成や事業多角化の一環として、今から注目しておくべき市場です。

記事の監修・著者について

代表

ヤン・ファン
JCI Lab Co.,Ltd 代表取締役

日系大手自動車メーカーでの経営管理を経て、日系不動産企業にてカンボジア不動産市場に参入。不動産売買、賃貸管理、市場調査などを通じて現地市場を深く理解し、企業のビジネス進出や投資支援に携わる。2023年にJCI Lab Co.,Ltdを設立し、代表取締役に就任。日本市場や日本の顧客への理解が深く、日本語・中国語・英語・フランス語を駆使し、グローバルな視点で企業の進出支援や金融手続きをサポート。CFA®、CIPS資格所持、NAR会員。

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